ソムリエ・市村暢央氏が読み解く、HENGEの味わい

ソムリエ・市村暢央氏が読み解く、HENGEの味わい

東京・赤羽橋。
都内の喧騒から少し距離を置いたその場所に、静かに佇むフランス料理店 les Accords があります。

華やかさを声高に語るのではなく、料理、ワイン、空間、そして時間が、自然に調和していく場所。
その一杯、一皿に向き合う姿勢には、過剰な演出ではなく、本質を丁寧に見極める美意識が宿っています。

この店を手がけるのが、ソムリエ・市村暢央氏です。

長年にわたり、ホテル、グランメゾン、国内外の飲食事業に携わり、料理と酒の関係性を見つめてきた市村氏。
今回ご縁をいただき、HENGEの日本酒をテイスティングしていただきました。


日本酒を、料理とともに味わうものとして

 

HENGEが目指しているのは、ただ香り高く、ただ飲みやすい日本酒ではありません。

米の旨味。
酸の輪郭。
香りの広がり。
そして、飲み込んだ後に続く余韻。

そのすべてが重なり、食事や空間、人との時間に寄り添う一本であること。
HENGEは、日本酒を“単体で味わう酒”としてだけではなく、料理と響き合い、時間を豊かにする存在として届けたいと考えています。

だからこそ今回、ワインやフランス料理の文脈からも酒を読み解いてきた市村氏に、HENGEの味わいを言葉にしていただきました。

テイスティングいただいたのは、
UMAMI BY2025
CLEAR 無濾過生原酒
CLEAR 火入れ

 の3種類。

それぞれの個性を、香り、味わい、余韻、そして料理との相性という視点から読み解いていただきました。


HENGE UMAMI BY2025

 

UMAMIでまず印象的なのは、ラズベリーや青いイチゴを想わせる、爽やかなベリー系の果実香です。

その奥に、白桃のようなやわらかな甘み、ハーブや木を思わせる静かなニュアンスが重なる。
香りの中に、鮮やかさと落ち着きが同居しています。

口に含むと、苺ヨーグルトのような甘酸っぱさと、なめらかな乳酸感が広がります。
米の旨味は澄んだ酸に支えられながら、雑味を感じさせることなく、美しく伸びていく。

磨きを抑えた米から造られているとは思えないほど、味わいは透明感に満ちています。
そして何より印象的なのは、その余韻の長さ。

ベリーの果実感、乳酸のなめらかさ、米の旨味が、飲み込んだ後も静かに続いていく。
香りの鮮やかさと、余韻の美しさが際立つ一本です。


HENGE CLEAR 無濾過生原酒

 

CLEAR 無濾過生原酒は、黄桃を想わせるふくよかな果実香に、ヨーグルトのような乳酸のニュアンスが重なる一本です。

無濾過生原酒らしいみずみずしさと、お米由来のやわらかな旨味。
口当たりはなめらかで、蜜のような丸みを感じさせながらも、透明感のある酸が全体を美しく引き締めます。

香りと味わいの中にある、心地よい乳酸感。
それは、単なる飲みやすさではなく、料理との距離を自然に近づける要素でもあります。

市村氏は、山羊乳のチーズを使ったサラダに柑橘を添えるような料理との相性を挙げています。
爽やかな酸と乳酸のニュアンスが、チーズのコクや柑橘の香りと美しく重なり合う。

軽やかでありながら、奥行きがある。
CLEAR 無濾過生原酒は、食中酒としての幅広さを感じさせる一本です。


HENGE CLEAR 火入れ

 

CLEAR 火入れに感じられるのは、キウイフルーツや青いバナナを想わせる、爽やかでやや青みを帯びた果実香。
温度が少し上がるにつれ、熟したマンゴーのようなトロピカルなニュアンスも現れます。

口に含むと、無濾過生原酒よりも穏やかな酸と、蜜のような甘みがやわらかく広がる。
低アルコールでありながら味わいには確かな厚みがあり、火入れならではの丸みと落ち着きが感じられます。

市村氏からは、焦がしバターの香ばしさに、レモンやケッパーの酸味が重なるエイヒレのグルノーブル風とも相性がいいと言及いただきました。

爽やかな果実味、蜜のような甘み、穏やかな酸。
それらが静かに重なり、CLEAR 火入れは、落ち着きのある余韻を残します。


味わいを言葉にすることで、酒はより深くなる

 

日本酒の魅力は、飲んだ瞬間の印象だけで決まるものではありません。

香りを感じる。
温度の変化を待つ。
料理との重なりを探る。
余韻に耳を澄ませる。

そうした時間の中で、一本の酒の表情は少しずつ開いていきます。

今回、市村氏にテイスティングいただいたことで、HENGEの味わいはより立体的に言葉になりました。

UMAMI BY2025の、ベリー系の果実香と長く美しい余韻。
CLEAR 無濾過生原酒の、みずみずしさと乳酸の心地よさ。
CLEAR 火入れの、穏やかで丸みのある果実感。


それぞれ異なる個性を持ちながら、どの一本にも共通しているのは、米の旨味を大切にしながら、重たさではなく、透明感として表現することです。

日本酒を、もっと自由に。
料理とともに、もっと豊かに。

HENGEはこれからも、日本酒の味わいの可能性を広げる一本を届けてまいります。


市村暢央 氏について

 

1997年、ヒルトン大阪株式会社に入社。メインダイニング「シーズン」にて勤務し、館内各部署のワイン管理を担当。
その後、フォーシーズンズホテル丸の内、レストラン ラ・ベカスを経て、2007年よりミシュラン三つ星フレンチ「カンテサンス」にて8年間シェフソムリエとして勤務。長年にわたり、料理とワインの繊細な調和を支えてきました。

2015年以降は、ワカヌイ・グリル・ダイニング・バー、銀座おのでら、株式会社やま幸にて、国内外の店舗統括や飲食部門のマネジメントを担う。
2025年に独立し、2026年4月、東京・赤羽橋にフランス料理店 les Accords を開業。現在に至る。


les Accords

東京・赤羽橋に佇むフランス料理店。
料理とワイン、そして空間が静かに響き合う、洗練された一軒です。

Instagram:https://www.instagram.com/les.accords2026